第14回研修会 報告
場所:国立国際美術館 ユニクロ心斎橋店 LVMH大阪 ルシアン・ペラフィネ心斎橋店
国立国際美術館 設計:シーザー・ペリ 大阪市立科学館の敷地の地下を利用した完全地下型美術館である。エントランスゲートは地区全体のゲートウェイとして視認性の高いデザインが目指された。美術館としてのアイデンティティの表現や隣接する科学館の形状、地区のマスタープラン、人の流れなど様々な周辺環境がもつ、地下のせめぎあいが凝縮した姿でもある。 |
エントランスゲート |
地下2階 吹抜
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大阪国際会議場 設計:黒川紀章 それぞれのフロアの梁(スーパーストラクチャー)内は、機械室(メカニカルウェハー)となっており、縦ダクト、縦配管などでこれら巨大建築を設備的に支持する新しいスーパードミノ形式である。1階はピロティとして吹抜の広場であり、その樹木には、屋上の集光器より、光ファイバーにより自然光が供給されている。 |
外 観 |
ピロティ |
ユニクロ心斎橋店 設計:藤本壮介 外壁にはETFEフィルム(高性能フッ素樹脂フィルム)を採用し、フィルムの中に絶えず空気を送り込むことでフィルム自体を膨らませ、内蔵したLEDから光を送り出すことで、色とりどりのライトアップが可能となっている。 |
外 観 |
吹 抜 フライングマネキン |
LVMH大阪 エトワール心斎橋 設計:隈 研吾 大阪御堂筋の喧騒の中に、一つの「光る石の箱」を置こうと考えた。パキスタン産のオニキスを4mm厚にまでスライスし。両側からガラスで挟み込んで外壁とした。外の景色を眺められるようにオニキスの壁2に対して1の割合で、オニキスのブレントを施したPETフィルムシートをガラスにサンドイッチしたパネルを混ぜている。「石」というリアルなものと「石の映像」というヴァーチャルなものとの中間の曖昧な領域を追求した。同時に「壁」と「窓」という対立する二項の中間にある曖昧な領域を追求した。 |
外 観 |
EVホール |
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ルシアン・ペラフィネ心斎橋店 設計:隈 研吾 植物の表面に現れる有機的なパターンを用いて「ルシアン・ペラフィネ」のカシミアニットの柔らかさを建築の中に表現した。2種類の幅を持つ構造用合板と3種類のアルミコネクターによる有益的パターンを持つ壁「ベジブルウオール」が生まれた。五角形と平行四辺形が繰り返されるパターンで構成されており、ハニカム状の内部空間とした。シェルフ、ケースなどとして壁と一体利用のできる什器となった。 |
外 観 |
店舗内 |
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研修会を終えて |
3つの新しいビルを見学し、従来の素材や既成概念にとらわれることのない新しさを感じました。建物のもつ商業性やコンセプトに合わせたテクスチャーが使われており、建物のもつ特異性、オリジナリティがうまく表現されていたように思います。
自分しかできないデザインを表現できるように、日々成長していきます。 |